今回は、Bertrand RussellのThe Conquest of Happinessです。日本語にするとバートランド•ラッセルの『幸福論』です。
いかにして人は幸福になれるかという哲学の本です。『Conquest』というのは日本語で『獲得』という意味があり、彼の中では幸福は降ってくるものではなく、自身の努力で掴み取るものであると捉えています。
本トピックは「趣味」がキーワードなので私の趣味である読書の画像を使ってみました!
では見ていきましょう
バートランド ラッセルについて
彼はイギリスの数学者、哲学者です。世の中には沢山の自己啓発本がありますが、彼は数学者なので幸福について具体例を出しながら論理的に説明してくれるます。彼は哲学・数学者として活動しますが、晩年には平和活動を行います。みなさんご存じのアルバート・アインシュタインと共同で行ったものもあります。
本の構成
不幸の原因
本の構成としては、まず『不幸の原因』について述べます。これがまた沢山あります。『無関心であること』『競争』『退屈と興奮』『疲労』『嫉妬』『罪の意識』『脅迫されているように感じること』『世論に怯えること』です。
少し具体的に紹介すると外に関心を持たずに自分のことばかり気にしていると不幸になってしまうとか、過去に教え込まれたことが不幸の原因になるなどです。面白いなと感じたのは不幸の原因の一つである『不安』の克服方法です。不安に思うことがあっても人類の歴史、宇宙規模で見ればその不安はかなりちっぽけであるということ。笑ってしまいました。哲学者はどんな時代でも宇宙という言葉をよく使いますよね。きっとなんか理由があるのでしょう。
幸福の原因
次に『幸福の原因』について述べます。幸福になるには何が必要かをリストアップしてそれについて述べています。熱意、愛情、家族、仕事、仕事以外の関心、努力と諦めです。こんなに沢山あるなんて、、という感じです。ここで彼が言っているのは、とにかく外に関心を向けることです。
仕事に関しては不幸の原因である退屈を防いでくれるいい手段だとしています。しかし、そればかりに熱中してしまい、家族や自分の体などに影響を与えると不幸になってしまうとし『中庸』の大切さも説いています。彼のコアの考え方は、外に興味をもち、自己と外界を統合するということです。彼自身、若い頃に死にたいと思っていた時期があったそうですが数学と出会い、それが外に興味を向ける動機になり生きる希望が出てきて幸福になったみたいです。
何か熱中できることがある人は幸せなのかも
私が、面白いと思った例えは『ソーセージ機の話』です。ソーセージ製造機が2台あり、一台はひたすらにソーセージを作り、もう一台は自分の構造が気になり自分を分解してしまいます。そして、自分に意味を見出せなくなり不幸になってしまったという比喩です。
ソーセージ製造機を例えにするのも斬新で面白いですが『自己没頭』をこのように例えることで私のような人が読んでも理解ではきるところにラッセルの優しさを感じます。
とにかく「外に関心を向けよう‼」
趣味はたくさんあったほうがいい
彼は本書の中で「外に関心を向けることの大切さ」を何度も強調しますが、同時に多趣味であることの大切さも説いています。
たとえば、サッカーが唯一の趣味の人がいたとします。ある日、突然サッカーがこの世から消えたらその人は外に関心を向ける対象がなくなります。
しかし、多趣味である人はサッカーがなくなったら、読書をしようとか、スケボーをしようなど切り替えが可能です。ラッセルはこの切り替えができる状態が大切だと言っています。
コロナ禍でも使えそうな考え方だね
まとめ
今では禅やマインドフルネスといった自己に集中するものが流行っていますがラッセルは逆のことを提唱しています。
これは西洋とアジアの違いだね
大学生の時は『NHK 100de名著』でこの本を読み衝撃を受けたのを覚えています。その後、この英語で書かれた原文を読んだのですが難しすぎて50%くらいしか理解できませんでした。でも、今回読んで80%くらいは理解できたかなと思います。
このような難解な文章を読む時はとにかく根性で読み切ってしまうというのが私ののモットーです。笑
日本語訳の本もあるのでそちらで読むことをお勧めします!NHK 100分de名著は短時間で読めます!
外に関心を向けて「幸福をつかみ取る!」
気になる方は是非
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