今回は帝京大学ラグビー部の監督として9冠を達成した岩出雅之さんが書いた「常勝集団プリンシプル」を解説していきます!この本は部活なのでチームを持つ人、仕事で人の上に立つ人には必見の本になっています。
チームのやる気を上げるには、良い集団にするにはどのようにすれば良いかということが知ることができます。全部は書けないので自分の中で良いなと思った点、面白い取り組みを抜粋していきます!
これらのテクニック、考え方は会社や自分のチームでも活かせるものです!
チーム内のモチベーションを上げる方法の結論は「内側の環境、外側の環境を整える」ことです。
雑用は4年生
帝京大学ラグビー部の面白いところは従来の体育会系の仕組みを脱却しているところです。3、4年生が掃除、食事準備などの雑用をしています。この理由としては1年生には余裕がなくてラグビーに時間を割くことができないからです。もし、ラグビーや勉学に割く時間があれば1年生のモチベーションもあがります。そして、彼らが上級生になるにつれて、自分たちも後輩たちのために動くことができるようになります。これはかなりのイノベーションだと思いました。尊敬できる人たちが上にいることでチームとしてもまとまります。
マインドセット
これは内側の変革になります。マインドセットには固定マインドセットと成長マインドセットがあります。
固定マインドセットなら成長マインドセットへと変えることが必要です。成長マインドセットとは端的に言うと周囲に関係なく、自分のベストを尽くすということです。こうすることで高い成果を出すことができます。固定マインドセットの方は名前の通り、変化がなく成果の出にくいマインドセットになります。
他人を変える前に自分が変わる
トップが変われば、その姿を部下たちは見ています。それが広がればその組織の文化となります。人を変えるのは大変です。人が変わろうとするのは「自分で変わりたいと思った時だけ」です。変えたいと思ったらまずは自分が変わりましょう。
人は変わりたいと思わなければ変わらない
これは真理です。しかし、このように思ってもらうのを待つのは大変です。リーダーはチーム内で「変わりたい!と」考えてもらうために仕掛けを作って後押しするような環境作りをしていく必要があります。
人に命令して動かすのではなく自律して動く集団
上から命令を下すのではなく、ミッションを与えてあとはある程度権限を任せる方が自分たちで考える集団になります。命令をこなすだけの行動は長続きしません。
岩出さんはたまに寮の掃除をするようです。すると1年生は無視、2年生は挨拶、3年生は「代わります!」と言って手伝う、4年生は自然に手伝うみたいです。普通なら1年生に怒る場面ですが、岩出さんはそうはしません。彼らが気づくまで待ちます。このように考えることができる集団を作るというのは時間がかかるのです。リーダーは自ら考えることができるような環境を設定し、待つことが大切。
4年間で社会を疑似体験
岩出監督は1年生を新人社員、2年生を中堅社員、3年生を中間管理職、4年生を経営幹部に見立てた役割分担をチーム内でします。
例えば、3年生は1年生の新チームオリエンテーションを3ヶ月かけて準備して実施します。ここでチームのルールやコンセプトを説明します。このように伝統的体育会系の雰囲気とは全く違った組織になっています。また、こうすることで4年生は社会で即戦力な人材になります。
環境が乱れると人も乱れる
これは岩出さんが公立教員時代に学んだそうですが、教室が汚れているとクラスの雰囲気も荒れていることが多かったそうです。なので帝京大学では寮、トイレなどは毎日掃除して綺麗にしているそうです。
OODAループで瞬時に問題解決
これはチームの中で3人トークを行う際に使っている手法です。チームの中で反省などがあればすぐに話し合うことを岩出さんは行っています。
みなさんもPDCAサイクルは聞いたことがあるでしょう。plan, do, check, actです。それよりも回転率を上げたのがOODA(ウーダ)です。obserb(観察)、orient(情勢判断)、decide(決断)、act(行動)です。これはアメリカ空軍でも使われているもので瞬時に話し合い解決策を導くことができるようです。
「3:4:3の法則」のどこに目を向けるか?
みなさんもこの法則は聞いたことがあるでしょう。組織では3割の勤勉な人、4割の平均的な人、3割の怠け者がいるという法則です。
また、ある実験によると怠け者の3割を除いても、その組織には3割の怠け者が新たに発生するという結果が出ました。
みなさんがリーダーならどこに注目しますか?
岩出さんは上ではなく、中間以降の7割(平均3割、怠け者3割)に向けた練習を行います。
上位3割は、何も言わなくても自分たちでやります。組織としていい集団を目指すなら下の3割でも頑張れる、ついていけるメニューの方がチームとしては一丸となります。
この考えには目から鱗でした。私は上位層につい目がいってしまいます、、、
モチベーションはお金ではなく「楽しさ」
お金で人を動かしている組織は結構あると思います。私たちもお金が欲しいのである程度は動きますが、それ以上の成果は出ません。やはり「楽しい」からやるには勝てないのです。
ある実験で、報酬を与えると創造的な作業をする傾向が減ったという結果が出たそうです。また、お金は何かをする上でモチベーションの低下、阻害要因としても働くこともあります。お金で人を動かすというのはあまり得策であるとは言えないかもしれません。
まとめ
以上が、私が岩出さんの取り組みの面白いと感じた部分です。全部を書くことはできなかったので是非、購入して読んでみてください!
考える、自律した組織づくりには外部の環境、内面の環境を整えることが必要です。また彼らが考えること、自分で行動することができる仕組みを設定し待つことが大切です。
また常勝集団と呼ばれるくらい成果を残すには岩出さんが行った「脱体育会系」のような大きなイノベーションを起こす起こすことにも屈さない勇気が必要です。伝統や常識を疑うこと、自分が正しく判断することで組織は大きく変ります。
リーダーのような組織で上に立つ人はこの本からこれらのことを多く学べたかと思います。ぜひ、実践してみてください!
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